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2020年7月19日

院長の雲井です。🐄

今回は新型コロナウィルスに関する知見をご紹介します。
少々、専門的な内容ですが、出典を明らかにするために原文で転記します。

①新型コロナウイルス の実効再生産数を低下させるためには、サンプリングは鼻咽腔ではなく唾液検査が第一選択です。実効再生産数を低下させるために飛沫感染の原因である唾液腺に由来する唾液のウイルスを殺菌力のある洗口剤で常に失活させることが大切です(洗口剤使用を推奨します)。受容体のACE2は唾液腺だけでなく口腔粘膜と舌にもありますので舌磨きでウイルスにより死滅した細胞と生きたウイルスを舌磨きで除去することも大切です。また、歯周病菌などグラム陰性菌のエンドトキシン(LPS)による新型コロナウイルス感染者のサイトカインストームを防止するためにこれまで以上に歯磨きとフロッシングを推奨し、歯肉炎のない状態を維持することが大切です。ウイルス性肺炎に続発する細菌性肺炎を防止するために、歯周病の治療は必須です。P. gingivalisの増殖抑制のためのアジスロマイシンの処方は緊急時ですからためらう必要はありません。歯科医院では従来とはレベルの違う高度な予防歯科(薬剤の局所塗布)でエンドトキシン血症を防止することが大切です。よろしくお願いいたします。
(鶴見大学歯学部教授 花田信弘)

②サンフランシスコの臨床医からの緊急提言
彼らはライム病の専門医でスピロヘータ科ボレリア属の細菌に対する長期抗生物質療法を行なっているそうです。
700名の患者のうち一人も新型コロナウイルス に罹患していないそうです。ライム病の長期抗生物質療法がコロナウイルス 感染を防いでいると彼らは考えています。つまり細菌性肺炎を抑えれば無症状だということになります。
A Novel Plan to Deal with SARS-CoV-2 and COVID-19 Disease.Raphael B. Stricker, MD*
Melissa C. Fesler, FNP-BC*
What does this tell us? A strong possibility is that being on antibacterial treatment somehow protects against SARS-CoV-2 and severe COVID-19 disease.

※新型コロナウィルスに関する研究が途上であるため、根拠のない発言がネット上を中心に多く見られるため、出典がわかるように原文を載せました。

①と②の知見を要約すると、新型コロナウィルスによる肺炎の重症化を阻止するために歯周病治療や予防歯科治療は重要である、ということです。

口腔ケア(歯肉炎・歯周炎の予防処置、舌磨き)の推進がその具体策といえるでしょう。
ホームケアとプロフェッショナルケア(クリニックでの歯石除去など)をしっかりと行うことが大切です。みなさまもいろんなメディアにおける根拠のない発言に振り回されることのなきようお気を付けください。

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くもい歯科クリニッ​ク 院長 雲井秀樹

くもい歯科クリニッ​ク
院長 雲井秀樹

北海道大学歯学部卒

鶴見大学歯学部小児歯科学教室助手職を7年間務めたのちに、当地にて開業。

ファミリアキッズ駅前園 園医

日本歯科医師会会員 日本小児歯科学会会員